"難しいこととは、説明書もなく、重要な部品がどこにあるのか手がかりもなく、自分自身を一個一個作り直そうとすることだ"- ニック・ホーンビィ
再出発は不思議なほど解放的だ。怖さと興奮が同居している。エゴが取り除かれる。自分の最悪の恐怖や不安に直面させられ、それを直視し、克服することを強いられる。置き去りにしたものが自分の存在のすべてではないことを思い知らされる。過去の成果や経験の複合体以上のものが、あなたにはあるのだ。 それでも、あなたは凍りついたように感じる。レベルゼロにいるあなたは、上を見上げると、自分がいるべき場所にどうやってたどり着けるのだろうと思う。ゴールはとても遠い。一瞬、走ることしか考えられなくなる。それよりも、聖域に戻って今までと同じことをし、自分の人生のために設定した軌道を安全に横切る方がいい。 しかし、足元の地盤はすでに変化している。その軌道は消えつつある。あなたが知っているような人生はすでに未知の世界へと姿を変えており、あなたも変わらなければならないことを、ときめく心の中で知っている。あなたは計算した。後戻りはできない。 ゼロから100までの数え方を学ぶのと同じくらい、やり直しが簡単なこともある。努力を重ね、ゼロから10、20、30と進んでいく。その過程で新しいスキルを身につけ、数を数えるということはゼロから9までの単純なパターンを何度も繰り返すことだと気づく。 やがてスピードが上がり、やがて本能的にできるようになる。100まで到達する頃には、もはや数字をひとつひとつ考える必要はない。自然にそうなる。何もしなくても、さらに外挿できるようになる。そしてそのように、あなたはもはや初心者ではなく、失敗を恐れる気持ちはとっくに消え去り、既知のものに対する自信によって蒸発するのだ。 それが簡単なことであればいいのだが。 多くの場合、再出発は直線的ではない。(蛇と梯子」のボードゲームのようなものだ。目標は同じだが、道は平坦ではない。良い日には、人生はあなたを2歩から55歩へと急上昇させる。悪い日には蛇に噛まれ、一挙に97から40まで急降下する。自分は目標に届かない運命にあるのだろうかと思い悩みながら、その場にのたうち回る。 あなたには、否定的な考えや自責の念に駆られるのはもうやめなさいと言いたい。驚きと冒険の精神を再発見しなさい。自分の中の子供を探し出し、彼女の回復力、畏敬の念、好奇心の感覚にチャンネルを合わせるのだ。 初めてキーボードや絵筆を渡されたときのことを覚えているだろうか。アーティストと名乗る前に、弾かなければならない音符や色付けしなければならない虹の数が多すぎて、怖くて青ざめただろうか?それとも、白黒の鍵盤や小さな魔法の絵の具瓶に秘められた可能性に興奮したでしょうか? きっと後者だろう。もしゲーム中のヘビが噛まなかったり、ハシゴが登らなかったりしたら、殺風景で生気のないゲームになってしまうのではないだろうか?それのどこが面白いんだ? だから、あなたに、 新米ママは、辞表メールの送信ボタンを押しながら、自分は家庭生活に向いているのだろうか、それとも母親という祭壇の上で自分のアイデンティティを犠牲にしているのだろうか......と悩んでいる。 職歴の「空白」をどう説明しようか、自分にその資格があるのだろうか......と、古い履歴書をほじくり返しながら爪を噛んでいるSOHMのあなたへ。 在宅勤務からフルタイムのオフィス勤務に移行することを決めたWAHMのあなた、この偽者感が消えないだろうか? みんな、大丈夫だよ。怖いのは分かる。分かるよ。怖いのは分かる。でも、お願いだから、それに取り組んでください。恐れを捨て、このチャンスゲームにあなたの内なる子供を連れてきてください。 そしてやり直す。 そう、あなたはレベルゼロ、つまりまたルーキーなのだ。そして、謙虚な気持ちになる。しかし、それは良いことだ。あなたは新人であり、未知の世界でのパイオニアなのだ。超えるべき基準もなければ、先入観もない。 あなたの成功 のように見えるはずだ。今はまだ実感が湧かないかもしれないが、期待から解き放たれ、人生経験で満たされている今が、最高の場所なのだ。 自分のグルーヴを見つけに行こう。バランスを取ってこい。プライドを持って、自信を持って、子供のような熱意を持って、一歩ずつ。でも、どうか行ってください。 次にやり直すときは、この爽快感、胃の中の蝶々を思い出してほしい。
デイジー・サスマン
著者